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UZRとは?本当の”守備力”を知ろう。実際の数字を見ながら解説

UZR(アルティメット・ゾーン・レーティング)は2017年現在、メジャーリーグでも活用されている野手の守備を評価するための指標です。

日本では「エラーの数」つまり守備率が重要視されていたり、ゴールデングラブ賞にいたっては「投票記者の印象」と言わざるを得ないのが現状です。

最近は各球団も細かいデータを見ているようですが、監督の言動などを見ているとまだまだ浸透していませんね。

これから一気に広まるであろうUZRについて、この記事では実際の数字も見ながら紹介していきたいと思います。

UZRの概要。

守備率以外で古くから野手の守備力を評価する指標として、レンジファクターというものがあります。

これは野手の守備範囲を評価する指標で、「一人の野手が9イニングあたりで取ったアウトの数」が数値化されます。

詳しくはこちらを御覧ください

レンジファクター解説アイキャッチ
レンジファクター(RF)とは?守備力の指標を分かりやすく解説

ですが、レンジファクターは1977年に生まれた指標で、欠点も少なくありません。

  • 奪三振数が多いチームの野手は不利
  • たまたま打球が飛んでこないなど、運の要素が多分に含まれる

「たまたま打球が飛んでこなかった」なんて言い出したらキリがないと思いますが、やはりデータはより平等・客観的であるべきです。

そこで生まれたのがUZR(アルティメット・ゾーン・レーティング)です。

UZRの算出においては、まずグラウンドを多数の「ゾーン」に区分し、各ゾーンについて発生した打球の種類(バント・ゴロ・外野へのライナー・外野へのフライ)や速度(遅い・中間・速い)を記録する。
そしてそれぞれのゾーンにおいて生じた特定の種類の打球についてリーグ全体でどれだけのアウトが記録されたかを算出する。
このデータを基に、個別の野手のプレーを評価し、各種の補正を合わせて「リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだか」を計算する。

引用:Wikipedia-UZR

ちょっと分かりづらいので簡単にまとめてみますね。

  • グラウンドを各ポジション定位置ではなく各ゾーンに細分化し、打球速度を含む打撃結果を記録しデータ化する。
  • このデータを元に、プレーを人力で評価する
  • 数値は+と-で評価され、「平均(0)と比較してどれだけ失点を防いだか」が数値となる。

UZRが一般の人への知名度が上がってこないのは、この算出方法の難しさにあります。

我々、一般人はまず打球速度などのデータが手に入らないので、算出しようがないのです。

UZRは誰が、どうやって算出している?

では、UZRはどのように数値化されているのでしょうか?

メジャーリーグなどではデータを取り扱う機構や各球団が測定をして算出していますが、日本でも2009年からデータスタジアム社が算出を始めました。

また、データスタジアム社のデータを使っているのか独自に測定しているのか不明ですが、北海道日本ハムファイターズは早くからUZRを見ていると言われていますね。

膨大なデータと人力で野手のプレーを評価するので、個人ではとても測定できません。

今、日本プロ野球のUZRを調べる場合は合同会社DELTAが一部無料で公開をしていますので、これを見るしかないという現状です。

プラス、マイナスの評価はどうやって決まる?

例として、平均的には15%の割合で中堅手がアウトにし、10%の割合で左翼手がアウトにし、残りの75%はヒットになるような外野へのライナーを考える。この打球について、仮に中堅手が捕球しアウトを成立させたなら、通常は25%しかないアウトの見込みを100%にしたものとして中堅手は100%と25%の差分である0.75「プレー」の評価を得る。

さらにUZRは守備の評価を得点の単位により行うため、プレー数の評価に得点価値を掛け合わせる。一般的な外野への安打はチームの失点を約0.56点増やす。また、アウトは失点を約0.27点減らす。すなわち、ヒットになるはずだった打球をアウトにする働きは守備側チームの失点の見込みを0.83点減らすことになる。プレー数0.75に得点価値0.83を乗じた0.6255点が、当該中堅手がそのライナーをアウトにしたことによって「防いだ失点」となる。

引用:Wikipedia-UZR

このように、UZRのプラス評価は「角度・速度を考慮して”難しい”と判断される打球をアウトにできたらプラス」となります。

逆に、同じ打球を捕れなかったとすれば大きくマイナスにはなりませんが、捕れる選手が居る以上は少しのマイナスになります。

そして、90%の野手が捕れるような打球を捕れなかった場合は大きなマイナスになります。

UZRの信頼度、弱点は?

UZRは守備率と比較すれば非常に信頼できる指標となっていますが、以下のように注意するべき点はあります

  • 打球速度などの膨大なデータが必要となるため、1年単位で見たときにバラつきが激しい
  • 最終的な評価は個人の判定のため、100%平等ではない
  • 投手、捕手は打球処理が他ポジションと比較して極端に少ないので評価できない
  • 相対的な評価のため、ひどく数字の悪い選手が居ると平均的な選手の数字も上がってしまう

実際にUZRを見てみよう。2017年の数値で評価してみる

ちょうど2017年シーズンも終わりましたので、合同会社DELTAのデータでUZRを見てみましょう。

まずは、分かりやすい例としてパリーグのショートを見てみます。

2017年、ゴールデングラブは福岡ソフトバンクホークスの今宮健太選手でした。まず、守備率を見てみます。

選手(球団) 守備率 試合数 刺殺 捕殺 エラー数
今宮 健太(ソ) .988 140 183 377 7
安達 了一(オ) .986 105 164 316 7
源田 壮亮(西) .971 143 228 481 21

このように、守備率だけ見れば今宮選手が1位で、2位のオリックス・安達選手は試合数も少ないので妥当な評価のように思えます。

しかし、UZRを見てみると少し違った印象になります。

選手(球団) UZR イニング数
源田 壮亮(西) +21.5 1269 2/3
安達 了一(オ) +11.6 830 2/3
今宮 健太(ソ) +5.1 1223 1/3

このように、西武のルーキー源田選手が圧倒的な差をつけて1位なのです。

また、オリックスの安達選手も少ない試合数で素晴らしい数値を記録しています。今宮選手も、平均以上なのは間違いありません。

この数値から見れば「源田選手はエラーが多いものの、圧倒的な守備範囲で最も球団の失点を抑えたショート」という評価になりますので、メジャーなら間違いなくタイトルを受賞したのは源田選手だったでしょう。

他の例で言えば、ラミレス監督が「守備の要」として絶対的な信頼を置く横浜DeNAのショート・倉本選手ですが、ここ3年のUZRは以下の通りです。

年度 UZR 順位
2015年 -5.0 7位(10人中)
2016年 -12.7 11位(12人中)
2017年 -17.0 10位(10人中)

このように、はっきり言えば各球団ショートのレギュラーで比較すれば守備力に欠けていると言わざるを得ません。

ラミレス監督がいくら評価しようとも、データを見ているフロントが阪神タイガースから守備の名手・大和選手を獲得したのは当然と言えます。

まとめ|UZRは絶対的な指標ではないが本当の守備力が数値で分かる

このように、UZRはエラーの数や守備率・レンジファクターなどでは測りきれないところまでカバーできるのが魅力です。

ただ、最終的に人の手が加わっているのでまだ100%平等ではないのが気になりますね。

近い将来、UZRはコンピューターが判定できるようになると言われています(メジャーではもう、なっているとの噂も。)

そうなれば守備評価では最もポピュラーな指標になるのではないでしょうか。


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